KC.KIUCHI氏によるKONA BAY 2008年モデルの解説

今年は力が入った。僕が「地上より永遠に」という映画で着用されていたアロハを復刻し始め、足掛け4年経過した。今回2柄を追加し、遂に確認されている6柄全てを網羅することが出来た。1953年の映画であるが 、この映画は未だ当時のアロハシャツの検証には多くのヒントを残している名作だ。また50年以上の時を経ても全く色褪せることのないアロハは日本人のみならず、アメリカ人にも復刻の要望が高かった。ただし、色褪せることはないといってもモノクロ映画である。

MONTGOMERY ClLIFT Model 
このモンステラの柄はモンゴメリー・クリフトが月に1度の外出時に着用した。ドナ・リードが働くバーに行く時にモンゴメリー・クリフトが着る。スラックスの外に裾を出し、今見ても完璧な着こな しである。今のハワイのビジネスシーンには見られないかっこ良いものだ。袖丈、着丈、ジャストサイズを選び実に粋に着こなしている。

WHITE この白はデール・ホープ著「THE ALOHA SHIRT」という本にも掲載されている。モノクロ映画なので実際どの色が使われたかは不明であるが、僕が知っているのは5配色である。葉に黄色や黒、黄緑、赤を使い、グランドは綺麗な生成りを使用。もちろんジーンズやチノとの相性も抜群 。

NAVY 僕はこの全く同じ配色の長袖を持っているが、めちゃくちゃにかっこいい。新しく見えるとやぼったいので、若干古く見えるように加工してもらっ た。グランドの紺は僕が一番好きな色である。葉の水色、黄緑 、赤、バランスが最高のシャツである。ベージュのチノやスラックス、 またはグレーのスラックスに合わせれば完璧だ。


 


FRANK SINATRA Model 
この花はいったい何の花だろうか。正確なところはわからない 。コスモスに似ているが何か日本調である。このシャツは「地上より永遠に」で 一番初めの休みの日にフランク・シナトラが着用。この映画のほとんどのシャツが話題になったが、意外にこの柄にスポットライトは当たらなかった。僕はオリジナルを所持しているが、着ると渋い、渋い。 これでこの映画の5柄を全て作成し終わり、一応の完結である。

WHITE 「DUKE KAHANAMOKU」「シスコ」社の復刻。白はモンステラの生成りとは違い、涼しげなオフホワイトである。濃い水色、淡い水色、紺をうまく使い、花火ににも見える。白いパンツに合わせて「リゾート」を意識するのも良いであろう。間違ってもデッキシューズに靴下を履かぬよう。お願いしておく。

BROWN 茶は「シスコ」社が好んで作っている。というよりも当時のお客さんに人気があった色なのかもしれぬ。黄色も濃いものと淡いもの色が微妙に違い、作り手のセンスの良さがうかがえる。茶は日本人に実は一番似合う色で 、肌が白い人でも黒く日焼けした人でも似合う。冬にも皮ジャンの下にぜひ着てもらいたいアロハだ。もちろん濃いジーンズの上にである。


 


SHELL 
シェル柄はヴィンテージ市場では希少で、今はほとんどオリジナルは出てこない。配色も知っているのはふたつしか見たことがない。デューク自身もこの柄は好んでいたようで「THE ALOHA SHIRT」という本でも着用している写真が載っている。

BROWN
「DEKE KAHANAMOKU」「シスコ」社の復刻。この茶はオリジナルのグランドの色とほとんど同じであるが、 オリジナルはモチーフのシェルの部分が白抜きであった。この柄は他のメーカーも同配色の物を何度もやっているので、何か違う色がないか思案していた。ちょっと着物ぽく紫を刺してみようと浮かんだ。予想以上に実に渋く出来あがった。これからはKONA BAYオリジナルの配色を出していくのも必要と考えていた。仕上がりは非常に良いと思う。

NAVY この紺もオリジナルの紺である。モチーフのシェルの部分は白抜きであった。スケッチの段階で何か物足りなさを感じ、明るい緑を入れた。これが絶妙のバランスで仕上がって来て、非常に嬉しい配色となった。近年「アメカジ」がだめだ、だめだと言われているが、こんな配色のアロハを着こなせないようであれば「アメカジ」の復活はない。半袖を作る前にこの柄の長袖が欲しいと思うのは一種の病気なのか・・・。


 


BEAR 
最後に和柄の説明だ。「KILOHANA」社製の復刻。このシャツにホノルルの「ベイリーズ」で出会うまでこの柄は知らなかった。なんとモチーフは「熊」。販売中ではあったが、僕の一目惚れで奪い取ってきた。店頭に並べた途端に反響があったようで、売れてしまう前に買い取った。近年見かける和柄には「いいな〜〜」とは思うものもあるが、「一目惚れ」というまでのものには中々お目にかかれなかった。しかし、この柄と配色を見た瞬間に「2008年」はこれでいこう!と思った。

BLUE
この配色は曰く付きである。実はオリジナルは何と何と「18色」使用していたのである。1950年代にこの技術はいったい何と言うことだと愕然とした。日本の染工所に問い合わせると2008年の今現在のプリント技術では15色しかできないとのことだった。それでも先方の担当者は 「問題なく作りますよ!」と自信満々である。出来上がりはもちろん3色抜けたのはわからない。50年の時を経て、今の染工技術と昔の技術の対決。見たところ高い次元での引き分けといったところか…..。実に興味深い出来事であった。これぞアロハ作りの醍醐味であった。




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